色々な所で定義は異なりますが、青年期は概ね15歳くらいから23歳くらいまでをさします。だいたい義務教育終了から(四年制大学に行く人は)社会に出る頃までですね。
人生を段階的に捉えた時に、それぞれの段階で立ちふさがる山ともいうべき課題があります。青年期では「アイデンティティの確立」がそれとされています。
アイデンティティとは、端的に言えば「私らしさ」です。私は何が好きで何が嫌いか、何をしたいと考えているか、何に価値をおいているか、何を信じ何を信じないか、どんな性格か、世界をどのように見ているか、などなど無数にあります。
「これらに答えられれば確立できている」と言えるほど単純ではないですが、自分のことをどれだけ明確に表現できるかは大切な指標です。
具体的には、例えば青年期では進路の選択を迫られます。そんな時、アイデンティティがある程度確立できていないと困ってしまいます。自分が何をしたいのか、何になりたいのか定まっていないからです。または、やりたいことは頭にあっても、かなり難易度が高かったり、周りが許してくれないこともあります。その場合もアイデンティティを見失い混乱するおそれがあるでしょう。
不登校、非行、ニート、仕事が続かない等の問題は、様々な要因が重なり合っている場合が多いですが、アイデンティティの確立という青年期の課題に正にぶち当たっていたり、未解決のまま歳を重ねている場合も多く見られます。
そのような時は誰かに相談することも一つの手です。話しているうちに考えが固まってくることもありますし、自分自身への理解が深まりますし、それまでとは違う視点に気付くかもしれません。カウンセリングはそのような使い方もできます。病理を抱えている人のみならず、深く考えたいことがあれば気軽に使って欲しい手段です。
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