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執筆者の写真はぶ よしひろ

2種類の共感②

先ほどの記事の2つの例、

実は1例目は日常でよく出会う「共感」です。

そして2例目は私たちカウンセラーがよく使っている「共感」です。

しかし、どちらも間違いではないし、どちらの方が良いということも一概には言えないかなと思います。


まず1例目のBさん

Bさんは、Aさんの話を聞き、似た自分の体験を検索して話しています。AさんとBさんそれぞれが別の体験について話していますが、感情は共有されているイメージですね。

友人も自分と同じつらいことがあったけど乗り越えたんだ、という事実はAさんに安心感と立ち直るきっかけを与えるかもしれませんね。さらにBさんは体験済みのことなので、話がさくさく進みます。うまくいけば短時間でも共感してもらえたと感じることができます。

ただ、やはり別の出来事なので違う点もあるでしょうし、AさんとBさんは別人なので、出来事に対する感じ方も違うところがあるでしょう。また下手をすると、Aさんは話を聞いてもらいたいのに、Bさんは話題をさらって自分語りをするだけという事態に陥るおそれもあります。


次に2例目のCさん

Cさんは、Aさんの話を掘り下げて聞いています。詳しく聞かないと「Aさんにとって」どういう出来事だったかが解らないからです。Aさんの話を聞きながら、Cさんが追体験するイメージです。

Aさんがどんな人で、彼氏がどんな人で、どういう時間を一緒に過ごしてきたか、その上で別れ話が出たのです。そういう詳しい情報があるかないかでAさんの「つらい」に対する理解は大きく変わります。1例目よりも深い「共感」ができます。

ただ、この話の聞き方は話し手に負担をかけます。つらい出来事を思い出させ、再び直面させるからです。「ばかー」とも言いたくなるわけです。時にカウンセリングがしんどいと言われるのはこの点です。まず情報集めから入るので、時間もかかります。日常の軽い相談には向きません。


以上が2種類の「共感」についてですが、最初に述べましたようにどちらが優れているとかはないと思います。また、実際にはこの2種類が明確に区別できない場合が多いです。しかし、相談する際、どのような聞き手なのか知る方法として共感の仕方は注目ポイントですね。

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